「みんなの防災MAP」で確認する ご自宅周辺の危険箇所と安全な避難経路の探し方
はじめに:もしもの時の備えは身近な場所から
地域での生活は、長年培われたご近所との関係や、馴染み深い景色によって安心感をもたらします。しかし、災害はいつ発生するか予測ができません。いざという時に、ご自身の身を守り、地域で助け合うためには、日頃からの備えが重要となります。
「みんなの防災MAP」は、地域住民の皆様が投稿し、共有する地域の危険箇所や避難経路の情報が集まる共有型情報サイトです。このサイトを活用することで、ご自宅周辺に潜む危険を知り、ご自身の体力や移動能力を考慮した安全な避難経路を事前に確認しておくことができます。
この記事では、「みんなの防災MAP」を活用し、ご自宅の近くにある危険な場所や、災害時に安全に避難するための道筋をどのように見つけるかについて、具体的な方法と視点をご説明いたします。
「みんなの防災MAP」で身近な危険を知る
私たちの暮らす地域には、普段の生活では気づきにくい災害時の危険が潜んでいることがあります。例えば、大雨で浸水しやすい場所、地震で土砂崩れが発生しやすい傾斜地などです。これらの情報は、自治体が作成するハザードマップにも記載されていますが、「みんなの防災MAP」では、地域に詳しい住民の皆様が実際に経験した情報や、日頃から気付いている危険箇所が共有されています。
ご自宅周辺の危険箇所を事前に把握しておくことは、避難の要否や避難経路の選定において、非常に重要な判断材料となります。地図上で危険箇所を確認することで、いざという時に冷静な行動を取る助けとなるでしょう。
「みんなの防災MAP」の基本的な操作方法
「みんなの防災MAP」は、スマートフォンやタブレットなどの画面上で地図を表示し、操作します。ここでは、基本的な地図の表示と危険箇所の確認方法についてご説明いたします。
地図の拡大・縮小と移動
画面に表示されている地図は、指の操作で拡大したり縮小したりすることができます。
- 地図を大きく表示する(拡大):画面に二本の指を軽く置き、そのまま指同士の間隔を広げるように動かします。指を広げることで、地図が大きく表示され、細かい道や建物が見やすくなります。
- 地図を小さく表示する(縮小):画面に二本の指を軽く置き、そのまま指同士の間隔を狭めるように動かします。地図が小さく表示され、より広い範囲を確認できます。
- 地図を動かす(移動):画面に一本の指を軽く置き、そのまま指をなぞるように動かします。指を動かす方向に合わせて、地図全体を移動させることができます。ご自宅の場所を中心に、周辺の情報を確認する際に便利です。
危険箇所の確認
地図上には、地域住民から投稿された危険箇所や、災害に関する注意すべき場所がアイコンや色分けで表示されています。
- アイコンや色の意味:画面に表示されているアイコンや色分けは、それぞれ異なる種類の危険を示しています。例えば、水色の範囲は浸水のおそれがある場所、黄色のアイコンは土砂災害の危険がある場所といった具合です。
- 詳細情報の確認:気になるアイコンや色分けされている場所を指で「軽くたたく」(これを「タップ」と呼びます)と、その場所に関する詳しい情報が表示されます。どのような危険があるのか、いつ頃の情報かといった詳細をご確認いただけます。
ご自身の体力に合わせた安全な避難経路を見つける
災害時の避難経路は、ご自宅から指定された避難場所まで安全にたどり着くための大切な道筋です。「みんなの防災MAP」を活用し、ご自身の体力や移動能力を考慮した避難経路を事前に検討しておくことをお勧めします。
避難経路選定の重要な視点
- 距離と時間:避難場所までの道のりがご自身の体力で歩ける距離か、要する時間はどのくらいかを事前に確認します。特に高齢者の場合、無理のない距離と時間設定が重要です。
- 道の状態:坂道や階段の有無、道の幅、交通量、夜間の見通しなどを考慮します。足元が不安定になりやすい道や、車が多く通る道は、できるだけ避ける方が安全です。
- 障害物の可能性:過去の災害で物が散乱しやすい場所や、がけ崩れのおそれがある場所などを避けるように検討します。
「みんなの防災MAP」の地図を拡大し、ご自宅から避難場所までの道を一本一本丁寧に確認してください。地図上で確認するだけでなく、可能であれば、実際にその道を歩いてみて、道の状況や所要時間を確かめることも有効な備えとなります。
複数の避難経路を持つことの重要性
災害の状況によっては、普段利用する道が通行止めになったり、危険な状態になったりする可能性があります。そのため、一つの避難経路だけでなく、二つ以上の避難経路を事前に考えておくことが大切です。
例えば、「Aルートは平坦だが少し遠回り」「Bルートは近道だが坂道が多い」といったように、状況に応じて使い分けられる経路を「みんなの防災MAP」上で複数見つけておくと安心です。家族や近隣の方と、これらの経路について話し合い、共有しておくこともお勧めいたします。
地域での助け合いと情報共有の大切さ
災害時に一人で全ての対応をすることは困難です。地域全体で「もしも」に備え、助け合うことが被害を最小限に抑える鍵となります。
「みんなの防災MAP」は、住民同士が情報を共有し、地域の安全に貢献するためのツールです。ご自身が気付いた地域の危険箇所や、避難時に役立つ情報を投稿することで、他の住民の方々の安全を守る手助けとなります。また、ご家族やご近所の方々と「みんなの防災MAP」を見ながら、一緒に避難計画を立てることも、地域での助け合いを深める良い機会となるでしょう。
おわりに:日頃の備えが安心につながります
「みんなの防災MAP」の活用は、災害に対する備えの一歩です。日頃からご自身の住む地域に関心を持ち、情報を確認し、いざという時の行動をイメージしておくことが、ご自身の安心、そして地域の安全へと繋がります。
定期的に「みんなの防災MAP」を確認し、新しい情報が追加されていないか、ご自身の避難経路に変化がないかを確認されることをお勧めいたします。地域住民の皆様の安全な暮らしを、「みんなの防災MAP」はこれからも支えてまいります。